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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter87 『決行』 87-18


「・・て、お前らっ!」

「俺だけかっ。 真剣に考えてるのは・・。」

(華やかな通りを、数歩歩いただけで、女子二人は、手前の路上に開かれた
アクセサリーショップの前で立ち止まってしまい。 先に進んだソラは、
虚しい独り言に上着のポケットに両手を入れ。 数歩引き戻った。)

「ん? 天然石。」

「へ〜、綺麗じゃね〜か・・。 うっ。」

(ソラは長身の背を屈め。 ポケットに両手を入れたまま、二人が見つめる
ガラスケースを上から覗き込み、そのまま固まった。)

「ソラさまっv これ、見てくださいっv」

「・・いや、俺には見えなかった・・。 とんでもない値段が・・付いてるぞ。」

「見えなかったことにしてくれ。」

「何ぶつぶつ言ってるのよっ! ソラ。 これ、似てない?」

(ミイとピュアは、間近に屈みこみ、小さなガラスのケースを見つめていた。)

「この、深い紺色と、きれいな水色の石。」

「夏樹さんと、ソラみたい。」

(言われてソラは、水色の瞳で瞬きながら、ミイの隣で覗き込んだ。)

「あ〜、ほんとだ、そうかもな。」

「これ、アイオライトとアパタイトっていうんですって。」

「きれいね〜っ。」



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