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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter87 『決行』 87-2


「奴の・・、骨を拾うような生温いやり方を待っていては。

このプロジェクトは実現しない・・!」

「我々の・・悲願・・!」

(まるで何かを必死に求めるかの様に、落ちた頬の上の、窪む光の無い瞳は
影を帯び。 筋ばんだ手が、強く。 黒いテーブルを打った。)

「首相・・。」

「案ずるな。 実行するのは、我々ではない。」

「FOTだ。 この件で、上手くすれば。 あの危険な子どもを葬ることも

出来るだろうが、彩の話では。 闇化の鍵をにぎっているのはあの子どもだ。」

「かつての様な惨事を起こせば、我々に手立てはないが・・。」

「消すことはいつでも出来る。 もう少し、役に立ってもらおう。」

「先代の父は、慈悲深い人だった。 人として生きるに値しない者へも、

そのチャンスを与えた。 我が父に習い、私も与えよう。」

「・・犠牲は、しかたがない。」

「我々は、《不死》を得るのだからな・・。」

***

「聖様。

官邸より、面会の要請が届いておりますが。 如何いたしましょう。」

「おそらく、先の国からの命令に関して、聖様のご意見を問いたいのではないかと・・。」



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