HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter87 『決行』 87-21


「紫苑が好きだから、いちごにしたかったんだけど、良いのがなくてね〜。」

「駆が桃が食べたいっていいはるからっ! 桃でもいい?」

[「うん。 いいよ。」]

***

(紫苑は小走りに、snow dropの玄関から出ると、
小さな鞄を手に。 あわてて履いた外履きに、自身でつまずきそうになりながら。
パタパタと桜ヶ丘を下り始めた。)

「きっとおいしいよ。」

「わたしもねっ、今。 買い忘れたものがあって///」

「出かけるから。」

[「え? いいよ。 一緒に用意するから、言って?」]

「///う、ううん。 すぐだから。」

[「そだ、雨宮くんのお姉さんは来れそう?」]

「///! うん。 菖蒲さんに誘ってもらったの。」

[「あやめさん? 誰?」]

「///ふふっ/// 佐織ちゃんが会いたがってた人・・。」

[「んん? あっ・・。」]

[「降って来た・・。」]

(紫苑は楽しげに耳元の声に耳を傾けていたが。 佐織の言葉にはっと、



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ