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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter87 『決行』 87-28


「さっきまで、あんなに晴れてたのに。」

パリッ

パリリッ・・

(雲間に、雷と共に。 ソラには何かが、見えた気がした。)

「ん?」

ポスッ

(背中をつかむ感触に、ソラは後ろを振り返った。)

「ミイ・・。」

(背中からぴたっとはりつく小さなミイを覗き込む。 オレンジ色の短い髪が揺れ、
不安げに見上げた瞳は。 再び湧き上がる、恐ろしい予感を、ソラに伝えていた。)

「・・ソラっ・・。」

「うん。 行こう。」

(水色の瞳はきらきらと煌めき。 満面の笑みで、ソラは頷いた。)

***

ジジッ・・

ジジジッ・・

(風見市内で、一番大きな総合病院の門の前に、一台の大きな黒い車が
停車していた。)

「え? そんな話は聞いていないですって?」



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