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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter87 『決行』 87-35


「///ごめんなさいっ。 わたしっ、心配で・・///」

「・・うん。」

(紫苑に向ける夏樹の表情は穏やかで。 それは、特別なものだと、
青葉にはわかった。)

『・・できるなら・・、わたしも、このガラスの向こうに居たかった・・。』

『危険だって、かまわないのに・・。 そう、あなたは・・。』

『その人を選んだのね。』

『どんなことがあっても・・、一緒に・・。』

『隣に居てほしい人・・。』

(切ない思いが青葉の胸に湧き上がったが、同時に、不思議な幸福感が、
心を満たしていた。)

(大切な人は、幸せを見つけていた。)

***

【お前も、あいつが好きなのか・・?】

(突然耳元で聞こえた声に、青葉の瞳は見開いた。)

「はっ・・。」

(気づかぬ間に、誰かが隣に立っていた。)

(青葉の居る、ガラスケースの中だ。 青葉の身体は動かず、それが誰なのか、
顔を向けることが出来ない。)



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