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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter87 『決行』 87-6
「・・、良いよ。」
「ですが、これでは彩殿のお立場が、悪くなるのではございませぬか?」
「・・橘。 彩は、優しい人だよ。」
「だけどね。 夏樹を傷つけるつもりならば。 皆、同じものを懸けなければね。」
「そろそろ、研究所を。 僕に、渡してもらおうか。」
***
トットットッ
(夕暮れの、オレンジの日差しが射し込む廊下を、紫苑は追いかけた。)
「夏樹くんっ。」
(ホームルームが終わると、すぐに教室を出た。 廊下の中ほどで振り返る。
少し狭く、細い廊下は、すでに生徒達で賑やかに溢れていて。)
(左手に続く、四角い窓は。 眩い夕日で、夏樹を染めた。)
「・・・。」
(夏樹が立ち止まってくれたので、紫苑はほっとした。)
「はぁっ/// あのねっ、夏樹くん・・。」
「ん?」
(深い紺色の瞳は、紫苑を見たあと、すぐに手元の通信機を見た。)
ピコンッ
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