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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter88 『覚醒』 88-14
ピチャンッ・・
(二人はまだ、至近距離で。 互いを見つめていた。
その姿は見えなくとも。 次第に胸元に突き刺さる鋭い爪が、夏樹のシャツを
血でにじませた。)
チリリッ
(青い爪は、小さな金属に触れ邪魔されながらも、長年狙い定めた獲物を逃さぬかの様に
つかみ、離さなかった。)
「久しぶりだ・・なぁ? ルイ・・。」
「俺にとっては、お前は幻なんかじゃない・・。」
「俺は・・貴様の顔を、忘れたことはない・・。」
「俺の国を・・救うはずだった・・“命”を・・。」
「あいつの力と共に・・この下衆共にくれてやったのか・・? なぁ・・。」
(聞こえないはずのその声は、もはや夏樹の耳に直接届くかとさえ思えた。)
「・・どうして、まだ生きてる?」
「《鍵》はどこだ・・? 言え・・。」
「くっくっくっ・・。」
「見つかるまでは、お前を殺せないらしい・・。」
「あいつの力を取り戻すためには・・、鍵が必要だからなぁ・・。」
「この苦しみが・・お前にわかるか・・?」
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