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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter88 『覚醒』 88-23


【ガァァァァーッ!】

「・・来た。」

『・・青葉・・っ。 頑張れ・・。』

(夏樹は静かに呟きながら、わずかに身体を屈め。 痛む胸元に手をかける。)

「はっ・・!」

(ソラの水色の瞳が、大きく見開かれた。 少女が闇に姿を変え、咆哮が響き渡る。)

『女の子が闇に・・っ!』

『あの怪物は、本当に人間なんだ・・っ。』

(それはまた、ソラが動き出すことを、ためらわせた。 もとが小さな少女だと思うと、
とても手を出すことなど出来ない。)

【遊ばないのか? なら、こっちから・・、遊んでやろうか・・?】

ゴワッ・・!

(また、ソラは上空から、巨大な深紫の円形の模様が、こちらに向かい。
降り注ぐのを見た。)

「魔法陣・・っ!」

「・・、夏樹・・。」

(魔法陣は、巨大に煌めき。 火花を散らしながら、回転し。 残りの異空間の床面を、
抉り弾き飛ばしながら、3人の上空を覆うほどに広がり。 逃れることの出来ない早さで、
目の前に迫った。)

「・・・っ。」



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