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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter88 『覚醒』 88-38
ゴォォォーッ!
ゴワッ・・!
(爆風が、中心に立つ少年の。 身体から流れ出て、
そのまま気配の主を捕らえ、自由を奪った。)
【ぐっ・・。】
【・・っ、貴様・・!】
(少年は、強力な風を操ったまま、次第に。
ゆっくりと、冷たい気配を纏い近づいた。 善は、身体を動かせぬままもがき。
膝を折り、その場にくずおれ。 血走る赤い瞳で、夏樹に振り返った。)
(水気を帯び、赤く光る。 痛々しい瞳が揺れ。 視線の先で、
深い紺色の瞳が、怒りに燃えていた。)
「・・望むなら。
相手になってもいい・・。」
「けど。
一対一の時だ。」
(ソラは、風を纏い現れた夏樹に見入った。 先ほど、善と向き合っていた時は、
まるで、呼吸するのさえ、どこか辛そうに見えた。 だが、湧き上がる風の中で、
透き通る肌に映える、深い紺色の瞳は、凛として強く。 ソラは息を飲み。
善をたじろがせた。)
「夏樹・・!」
(ソラは嬉しくなり。 込み上げるわくわくする思いに、水色の瞳を輝かせた。)
バササッ
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