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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter88 『覚醒』 88-6


「誰かっ・・!///」

***

ゴォォォーッ カッ!

(巨大な魔法陣は、夏樹を下方へ押し出し。 両腕で、身体を支える。
夏樹の目の前にあった。)

(深紫の眩い光は、きらきらと煌めき。 大きく開かれた夏樹の、
深い紺色の瞳の奥を映し出し。 衝撃に揺れる、深い紺色の髪と、砕け散るいくつもの
ガラスの破片が舞い飛ぶ様は、フェルゼンの力の強さと相まって。 美しくさえ見え。
衝撃を受けながらも、冷たく。 冷静ささえ感じさせる夏樹の白い頬に、
フェルゼンは怒りを覚え。 至近距離まで保ち。 魔法を解き放った。)

ジャララララッ! ビシッ バキバキバキッ!

(魔法陣から出現したいくつもの鎖は、
まるで楔のように、夏樹に撃ち込まれたが。)

(いくら誘い脅しをかけても。 風は起こらなかった。)

ドサッ・・

パリンッパリンッ パララッ・・

(いくつかの床を突き破った下。 夏樹の身体はガラスの床に横たわり。
投げ出された白い腕のそばに、いくつものガラスの破片がこぼれ落ちた。)

(その場は、すぐに。 新しい風見市内の別空間を映し出し。
横たわる夏樹の側に、舞い降りた。 フェルゼンの深紫色の靴とともに。
二人を、風見市内の景色の中へ運んだ。)

トッ ピチャン・・



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