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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter88 『覚醒』 88-9


(開かれた長い指先から、強く食い込む爪先は、
シャツの内側にかけられた、小さな銀の指輪を鳴らした。)

「うっ・・。」

(夏樹は、白い両手で。 見えないフェルゼンの腕に触れ。 自分から引き離そうと
力を込めた。)

【欠片に何が、入っているのか、教えてやろうか・・?】

【“命”だ・・。】

【闇化したあの女から、取ったら・・どうなるか・・なぁ?】

(フェルゼンは、まるで。 夏樹の命を奪うかのように、突き刺した腕に力を込めた。)

「ん・・っ。」

【悔しければ・・、お前の命を分けてやればどうだ・・。】

【あ〜っははははっ!】

ゴロゴロゴロッ・・

ザァァァーッ

***

「ソラさまっ! ほんとうにっv いいんですねっv♪」

(ピュアは、可愛らしい魔法のステッキを胸元にきゅっと抱き。
かしこまった様子で、クリーム色の長いまつ毛を瞬かせた。)

「ああ、いいぜ。 ぞんぶんにやってくれ。」



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