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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter89 『Friend』 89-10
(しばらく、抵抗を見せる夏樹をかまっていた千波は。 とつぜん、
思い切り。 夏樹の背に手を回し。 強く、夏樹を抱きしめた。)
「///わっ。 何・・?」
「・・、千波ちゃん?」
(あっけにとられ、深い紺色の瞳が。 温かな、オレンジ色の外灯の下で、瞬いた。)
「・・・っ。」
(千波は、強く強く。 両手で夏樹を抱きしめ。 冷たいその身体に、頬を寄せ。
込み上げる思いに、息を飲んだ。)
「どうしたの?」
(夏樹は、驚き微笑みながら。 両手で自分を抱きしめている千波の、背中にそっと
触れた。)
「良かったねv 夏樹・・v」
「え?」
(夏樹は瞬き。 自分と良く似た顔立ちの、温かな茶色の瞳が。 ピンクに色づく頬が、
間近に微笑むのを、見つめた。)
「ううん。 さ〜てv
まずはっ、春日さん家に行ってv 桜さんの手当てをうけなさいv」
「うっ、そんなの・・無理だよ。 何言って・・。」
「菖蒲くんっ、しっかり連れていきなさいね!v」
(千波は、強い口調で菖蒲に指示を出すと。 なにやらいそいそと、背を向けて。
夏樹の住んでいる棟の玄関の中へ、入っていってしまった。)
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