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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter89 『Friend』 89-18


(ピュアがちょこんと、前に進み出て。 両手で、焼き上がったたい焼きを。
夏樹に差し出したところで。 夏樹はこらえられずに吹き出した。)

「ぷっ、あはははっ!///」

「分かった。 食べるからっ、ちょっと待って。」

(夏樹は大人しく、部屋の中央に置かれたテーブルの前に、腰かけた。)

(皆、思い思いに。 部屋に腰を下ろした。 ソファーに腰掛ける者、窓際に置かれた
机の前。 椅子に腰かける者。 それだけの人がいるだけで、普段と様子は様変わりし、
夏樹の心は高揚した。)

「夏樹くん。 何飲む?」

(テーブルの前、床に腰を下ろした夏樹の隣に。 紫苑も腰を下ろした。
小さなクッションを抱え、そこに座るのは、いつもの紫苑の定位置で。 変わらぬ様子で、
自分に微笑みかける姿を見て。 夏樹の顔はほころんだ。)

「ありがとう。」

コポポポッ

(紫苑は皆のコップに泡立つジュースを注いで、きらきらした氷を浮かべた。)

「悪いな、酒じゃなくて・・。」

(駆がグラスを受け取りながら、夏樹にこっそりウインクした。)

「駆〜っ! このわたしがっ、許す訳ないでしょうっ。」

(佐織が勢い良く、駆の頭をはたいた。)

「みんなっ! 聞きたいことは、いろいろあると思うけどっ。」

「まずはっ。」



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