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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter89 『Friend』 89-23


「好きなのよv 茶碗蒸しv」

(こっそりと、千波は紫苑に耳打ちした。)

「それ、誰が作ったと思う?v」

(言われて夏樹は視線に気づき、隣に座る紫苑に振り向いた。)

『/// お口に合ったかな・・?///』

「・・っ、そんなに見られたら食べにくいな・・。」

(夏樹は思わず硬直した。 紫苑は赤くなり、瞬いた。)

「くっくっ。 美味しいよ。」

(まるで、窓の外に輝く。 星空の様な、どこか澄んだ冷たささえ感じる。
透き通る深い、紺色の瞳が。 目を細めて笑った。)

(賑やかな笑い声と、美味しい食事の香りが、夏樹を包み込み。
ここ数日、味わったことが無いほどの。 心地良い安心感が、夏樹の心を満たしていた。)

***

「で、作戦はどうする?」

(皆のお腹が満杯になり。 心地良い月明かりが部屋を照らす中。
ソラが口火を切った。)

「作戦?///」

(ミイは紅茶のカップを両手で持ちながら。 ソラの言葉に顔を上げ、赤茶色の瞳で
瞬いた。)

「《闇》をやっつけて、《時の欠片》を手にする方法だよ。」



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