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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter89 『Friend』 89-27
「一人で抱えてねーで、俺らにも。 少しわけろよ。」
「友達だろ。」
(駆の力強い言葉に、夏樹は。 深い紺色の瞳を歪めた。)
(食事を終え、辺りには。 紅茶の良い香りと、果物とケーキの。
甘い香りが漂っていた。 けれど、夏樹の透き通る肌から、まるで。
冷たい気配が流れ出る様で。 囲む一同は、夏樹の醸し出す、緊張感に。
しばし包まれた。)
「・・・。」
「こういうのって、初めてで。」
(夏樹は静かに、重い口を開いた。)
「話したことがなかったから。
自分のことを話すのって、苦手だ。」
「・・もともと。 僕は、こういう風に。
誰かの前に、居てはいけない。」
「屋敷から離れることも、ほとんどなかった・・。」
「・・、僕が力を使うところを見た人は。」
「記憶を消されることになっているから。 僕のことを覚えてはいない。」
(それを聞いて、佐織はきゃっと悲鳴をあげた。)
「///! いや〜っ!/// せっかく菖蒲さんと出会ったのにっ! 忘れたくないわっ。」
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