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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter89 『Friend』 89-28
(夏樹の緊張が解け、わずかに微笑んだ。)
「そっち? くすっ。 大丈夫だよ。」
「不思議なことに、ソラが関わると。 FOTのデータに見つからないらしい。」
「それに、本当なら強力な結界が張られていて。」
「誰も、ここへ入って来られないはずなのに。」
「みんながここへ来れたのは、きっと。 そうだな。」
「僕のせいだ。」
「僕が・・。 防ぎきれなかったんだよ・・。」
「みんなに会えたのが・・。 嬉しかったのかもしれない。」
(紫苑は思わず、涙ぐんだ。 夏樹は、詳しい自分の事情を話し出す前に、
なんとか。 自分の想いを伝えようとしていた。)
「・・ありがとう。」
「/// 夏樹くんっ///」
(夏樹は、紫苑に頷いたあと、再び真剣な瞳で。 ソラを見つめた。)
「言う通り。 欠片には、人の寿命を延ばす力があるんだろう。」
「国の人たちは、その目的で、動き出している。」
「能力者の中にも、おそらく・・。」
「それを狙って、近づいてくる人がいる。」
「僕が居るのは、Fragment of Timeという能力者集団で。」
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