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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter89 『Friend』 89-3


***

(病室の扉の前の花束を看護師が拾い上げ。 青葉に手渡した。)

「青葉さんに、お見舞いかしらね?」

「まぁ、綺麗なお花。」

「わぁっ///」

(青葉の顔は、幸せにほころんだ。)

***

(snow dropの白いアーチの前に。 雨上がりの夏の夜空を見上げ、
桜は立っていた。)

「お帰りなさい、あなた。」

「ただいま、紫苑さんと夏樹君は?」

「・・まだなの。 何か、あったのかしら・・?」

(桜はエプロン姿で、ロングスカートの裾を、少し揺らしながら。 そっと、
通りの向こうを振り返って、覗き込んだ。)

「大丈夫。 夏樹君が、一緒にいます。」

(誠司は、穏やかな焦げ茶色の瞳で微笑んだ。)

「ママーっ、パパーっ、遅くなってごめんなさいっ///」

「ほら。」

(ちょうど通りの向こうから聞こえてきた声に。 誠司が微笑んだ。)



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