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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter89 『Friend』 89-38
(朝日が射し込む部屋の中、夏樹は。 遠く見える、輝き始める海岸線を、
見つめながら。 この街へ来て、一番と言って良い。
素晴らしい朝日を目に。 心から幸せな朝を迎えた。)
『こんな気持ちになったのは、初めてだ。』
『こんなに、気持ち良い朝が。
来るんだな。』
(夏樹は、この景色を留めたくて。 深い紺色の瞳に、朝日を焼きつけた。)
「ピュア。 君は、どこから来たの? 異世界の入口も、こんな時なら開きそうだな。」
(同じ様に、この景色に心奪われ。 感動に息を飲みたたずむピュアを。
隣に見て、夏樹は微笑んだ。)
「!/// はいですっ/// ピュアは、あの海の向こうから来ました。」
「あの向こうに。 エアリエルがありますっ!///」
(ピュアは、可愛らしい指先で。 夏樹を導く様に、
まっすぐに。 黄金色に輝きだす、海岸線を。 指さした。)
***
サー・・ ピチャンッ
(明け方近くになり、森の奥に建つ。 白亜の洋館の上に、降り注ぐ雨も、
小雨になっていた。)
(白手袋の手が。 長身の主人の頭上に傘をさしかけ。 緑の香りの湧き立つ、
木々の下を。 本部から続く空間通路を抜け、二人は戻って来た。)
「夏樹様が、力をお使いにならないと、お分かりになってらっしゃったのですね?」
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