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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter89 『Friend』 89-43


『何を知りたかったんだ・・。』

『聞いてどうする・・?』

『僕は、彼を止めるつもりはないのに・・。』

「僕は、君をあきらめるつもりはない・・。 粒樹・・。」

「僕が“君”を集めることと・・。

彼が力を使うこと・・。 どちらが先に尽きるだろうか・・?」

(金の瞳を覆う睫毛の上に、溜まる雨の雫が。 一筋流れた。)

「これは、僕と、夏樹の賭けだ。」

「止めることは出来ないんだよ。」

(聖は冷たく微笑んだ。)

(粒樹は静かに、凍りつく聖の。 表情を見た。)

【不器用な人・・。】

【気づいていないだけ・・。】

【聖・・。 悲しいのよ・・。】

【あなたは、今・・。 『悲しい』と、思っているのよ。】

***

ザザーンッ・・!

(眩き輝く、金色の海原が、夏樹の前に広がっていた。)



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