HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter89 『Friend』 89-46
(靴を脱ぎ、素足で。 砂浜に下りる。)
「・・・。」
(温かな砂の温度が、冷たい白い足に伝わり。 触れる感触は、心地良い。)
(そして、どこか。
不思議な、懐かしさを持って。 心に、何かが語りかけた気がした。)
『・・・。 誰だろう・・。』
『こんな風に、昔。 海を歩いたことが、あっただろうか・・?』
(夏樹と良く似た人物が。 初めてこの地上に降り立ち。
その素足で歩いたのは、こんな心地良い、朝の海だった。)
(遠い昔。 その人は、そんな風に。 運命の人と、
出会ったのだ。)
ザザーンッ・・
(ゆっくりと、皆のもとに歩き出す夏樹を。
遠く、少し離れた場所から。 白いリムジンの開いたドアの向こうから。
千波は嬉しそうに見つめていた。)
「千波様、戻られなくて良いのですか?」
「菖蒲くんこそっv」
「静乃さんともっと一緒にいたら良かったのにv」
「///! いえ、私は・・。 ここで。
少し、こんな楽しい日には。 お側に居たく存じます。」
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』