HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter89 『Friend』 89-7


(菖蒲の触れた手は、わずかな温かさを夏樹の手に残し。 夏樹を勇気づけた。)

『FOTを離れても、菖蒲は・・。』

『僕と来てくれるだろう。』

『だけど、これからどうすれば良い・・?』

『国は、頼りに出来ない。 僕だけで、“欠片”の謎を解くことが、

出来るだろうか?』

『聖は何のために、FOTをはじめ。 欠片を集め始めたんだ?』

『闇を無くすためじゃないとして・・。』

『欠片に、“人の命”が宿っているのだとして・・。』

『聖は、自分の命を伸ばそうなんて。 考える人じゃない。』

『だとしたら、目的は何だ・・。』

(夏樹は白い両手を組み、紺色の瞳を揺らした。)

「闇化させるために、僕を傍に置いていたんだ。」

「あの人はもともと、何でも持っている。」

「面倒くさがりな性格で、いつもサボってばかりで。 メンバーのことも、

晃さんに任せてばかりなのに。」

「考えてみたら、機密組織を作るなんてよっぽどのことだ。」

「ははっ。 分かったら。 何だか可笑しくなってきた・・。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ