HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter9 『行くぞ』 9-12


(職員室にそっくりな別空間。 FOT分室の中だ。)

「まぁ、わたしは乗せてくれないわけね。」

[「ごほっ。/// そういう訳では・・・っ。」]

「くすくすっ。」

「もうすぐ授業だから、何かあったら腕時計の通信機で知らせてね。 夏樹くん。」

***

「ああ。 分かった。」

(夏樹は、白い手で、手元に置かれた腕時計をつかんだ。)

カチャッ

***

「菖蒲くん。 結界が完成した地域に着くわ。」

「小町通り商店街よ。」

[「はい。 畏まりました。」]

(菖蒲は気を引き締め、モニターに微笑んだ。)

「外に出られるわ。」

[「楽しみだ。」]

「ふふっ。」

(静乃はモニター越しに、夏樹の声が明るくなった気がした。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ