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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter90 『恋心』 90-2


「がんばって・・!」

(佐織は意味深に目を伏せて。 紫苑を横目で見ながら、
颯爽と、髪をなびかせ。 教室の後ろのドアに向かい、歩き出した。)

「駆も部活があるっていうし。 わたしも少し、

稽古してから行くから。」

「また後でね。」

(ひらひらと手を振り。 困り果てた紫苑を、その場に残し、
佐織は楽しそうに微笑んだ。)

「チイも、先輩と行くから。」

「一人で来ちゃだめよ〜・・。」

「・・仙崎先輩っ、わたしとしょっちゅう生徒会で顔合わせてるのに、

今頃聞いたとか、おかしいからっ。」

「あの仏頂面、ちょっと雨宮くんに通じるものがあるわよね? ふっふっふっ。」

(細目で見つめながら、佐織は廊下を出て行った。)

「・・っ佐織ちゃんっ///;」

(紫苑は思わず、席を立ち上がったが。 もう佐織の姿はない。)

『・・; どうしようっ///』

(困惑して両手で頬を覆った。)

「天野くんも、楽しみにしてるって言ってたし・・; でも夏樹くん・・。」



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