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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter90 『恋心』 90-4
「おいっ、バカっ!///」
(俊は、涼の態度を無視し、佐織の出て行ったドアの向こうを見つめ。
たたずんだままの紫苑に声をかけた。)
「やめろって。」
(慌てて立ちあがり、涼は俊の腕をつかんだが、ニヤリと笑顔を浮かべ。
俊は紫苑の前に躍り出た。)
「紫苑、今日祭り行く?」
「オレらと行こうぜ。」
(にんまりと微笑み、俊は隣の涼の背中を叩きながら、嬉しそうに。
小柄な紫苑の顔を覗き込んだ。)
「え?///」
「チイと佐織と行くんだろ?」
「チイちゃん浴衣で行くだろっ?///」
「あほっ。 だったら小野瀬に声かけろよ・・。」
(涼は、俊が、自分の恋心のために、紫苑に声をかけてくれたのかと一瞬思ったことを
ばかばかしく思いながら。 チイを目当てで声をかけたと知り、首根っこをつかんで、
紫苑から引き戻した。)
「わりーな、紫苑。 じゃ。」
(涼はため息をついて、不機嫌な顔のまま。 片手を上げ、紫苑に背を向けた。)
「うわ〜っ、放せっ。 オレは、チイと祭りに行くっ。」
「だーまーれっ。」
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