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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter90 『恋心』 90-6


(それを見て、得意気になった俊の頭を、涼は小突いた。)

「喜んでんじゃねー。 男二人で行って

何がおもしれーんだよっ・・。」

(涼は言いながら、ふと、思い浮かべていた。)

「あいつ・・、最後まで来なかったな。」

「ん? あいつ?」

(不機嫌に窓の外を見る。 日差しは、絶好のお祭り日和だった。)

「雨宮。 あいつ出席日数足りねーんじゃね〜。」

「ほとんど来てねーだろ。」

(そんな涼を横目で見て、俊はにやついた。)

「焼いてんの? 紫苑と一つ屋根の下・・っ、ふっふっふっ。」

「ムカつくっ!」

(涼は皮鞄で、俊の頭を殴ると、どすどすと廊下を踏みならして階段から
1階へ降りて行った。)

***

キンコンカンコーン

(風見ヶ丘高校と隣接した、風見ヶ丘小学校でも。 終わりを告げるチャイムと共に、
賑やかな声があがっていた。)

「やった〜♪ 夏休み〜っ!///」



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