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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter90 『恋心』 90-7


(蒲公英は、両手を元気良くあげ。 満面の笑みで頬を染めた。)

「数馬くんっ! いっぱい遊べるね。」

(短いベージュ色の柔らかな髪が揺れ。 ちょこんと留めた、小さな青い小鳥の
髪飾りが日差しに光り。 隣で、思い切り振り向いた蒲公英の声の大きさに。)

(数馬は、照れながら、わざと。 興味無い風に、頬を膨らませた。)

「///! おまえっ/// オレはっ、ちびと遊んでるばあいじゃないからなっ!」

「FOTがいそがしいんだっ。」

「エフオー?」

(蒲公英は、小首を傾げたあと。 気を取り直して、隣の席の数馬に身を乗り出した。)

「数馬くんっ。 今日お祭り行く?」

「たんぽぽっ、ママと行くのっ。」

「数馬くんもいっしょに行こうっ。」

(聞いて数馬は、帰ろうと立ちあがり、帽子を被ろうとしていた手を止めた。)

「祭りっ?」

「祭りって、店やさんがいっぱいならんでっ。 わたあめとかっ、

チョコバナナとかっ・・! あとあとっ、金魚すくいとかのっ!?///」

「うん!」

「うおわぁ〜っ!/// 行くっ、ぜって〜行くっ!///」

(数馬は両手に拳を握って。 湧き上がる楽しみな気持ちを抑えられずに飛び上がった。)



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