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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter90 『恋心』 90-9
「夏休みの約束に、先生がいいましたよね?」
(そう言った、善の顔は。 まったく笑っていなかった。)
(底無しの様に、黒い瞳が。 数馬を見下ろしていた。)
「///! あっはっはっ! いいぜ〜っ!」
「なかよくしようぜっ!」
「けどなっ、お前のこんたんは。 お見通しだ〜っ。」
「ちびに近づけばっ。 FOTの秘密を知れると思ってんだろっ!」
「(び〜っ)そうはいかね〜よ〜っだっ!」
「・・オレが。 ちびのそばにいるからなっ。」
(数馬は、からかい。 舌を出したが。 最後の言葉に、静かに力を込め。
善の黒い瞳を。 負けないくらい強い視線で睨みかえした。)
「・・・。 良い気になるなよ・・。 餓鬼・・・。」
(善は、数馬にだけ聞こえる小さな声で。 吐き捨てる様に言った。)
『!』
「蒲公英さん。 浴衣着るんですか? 似合うでしょうね・・。」
「僕も、理恵と行きます。 あとで会いましょうね。」
(艶やかな黒髪の奥で、善の瞳は怪しく光り。 まるで作ったように満面の笑みを
浮かべる口元は。 大人びた表情で。 周囲の女の子たちの好意の視線を集めたが。
蒲公英は少しも疑うことなく。 可愛らしく善に手を振った。)
「善〜っ。 ああ〜っ♪ 蒲公英ちゃんさそってたんだ〜v」
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