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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-11


(険悪なムードのソラの隣で、駆は気軽に笑っていた。)

「先輩。 良い方の、助言も。 出来るってことですよね?」

「小野瀬から夏樹のことを聞いて、心配になったから。 俺らに近づいたんですか?」

(駆はにっこりと、仙崎に微笑んだ。)

「俺は、駆って言います。」

(人の良い駆は、まったく疑っていなかった。)

「・・。 何か、聞いたとか。」

「一言も、言ってないけど?」

(気のない風に返事を返す。 仙崎の目をソラは見た。 態度と違い、前を行く、
チイに向けられた仙崎の視線は。 優しく見えた。 ソラは、仙崎を信じることに
決めた。)

「俺は、ソラです。」

(ソラは、仙崎の肩から手を離し。 姿勢を正し、片手を。 差し出した。)

「・・春人。」

(無愛想に、灰色の浴衣の袂から、覗く大きな手で。 ソラの手を握り返した。)

「覚悟はいいですか? 春人先輩・・。 夏樹に関わるのは。」

「“闇”と戦うのは、ハードですよ。」

(言われて春人は初めて、にっと微笑んだ。)

「会ってみたいね。 “闇”ってやつに。」



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