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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-15


「闇はもう、くたばってる。 せっかく屋敷を出られたのに。

今度は、自分で。 この中に、閉じこもっているのか?」

「ふん。 相変わらず、ひどい顔色だな。」

「・・・。 聖が創ったのより、上手い結界だ。 相当、無理してるね。」

(光は、静乃から事情を聞いて、怒るつもりでやって来たのだが。 夏樹の顔を見て、
少し安堵し。 深い紺色の瞳が、冷たく光る様子から。 とても、
自分の言う事を、聞きそうにはないことを察し。 力を抜いた。)

「ほかに、方法がないから・・。」

「闇に触れたあとは、特にひどくて・・。」

「だめだ。 落ち着かなくて。 ここが・・、胸の奥が。」

「何かを探しているみたいに。 ざわつくんだ。」

「それが、落ち着くまでは。 ここに、居た方がいいから・・。」

(光が、自分を説得することを、諦めてくれた様なので。 夏樹も警戒を解き、
久しぶりに見る、まるで、頼りになる姉の様な存在の光に。 会えたことを喜んだ。)

「俺が、何でここへ来たか、わかるよね?」

(だが、光は喜んでばかりもいられなかった。)

「静乃さんに聞いた? だとしたら、放っておいて。」

(光は、夏樹の態度にカチンときた。 相変わらず、誰かが心配していることなど。
夏樹を引き止める理由にはならないようだ。)

「いいよ。 お前の好きにすれば。 聞いて、メンバーはみんな心配してる。」



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