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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-16


「お前が・・、こんな風に戦ってはいけないと聞いて。 心配しない奴がいると

思うのか? それなのに、お前はお構いなしだ。」

「晃が・・、静乃が研究所のデータを盗んだことを。 不問にするように、

聖を脅してる。」

(聞いて、夏樹は思わず笑った。)

「くっくっ。」

「笑い事じゃない・・。」

(光は、夏樹の、透き通るほど白い肌に、深い紺色の髪が揺れるのを見ながら。
本題を、切り出した。)

「“欠片”を、どこへやったの、夏樹・・?」

(夏樹は、笑いながら。 崩れかけた、ブロック塀の残骸に腰を下ろし。
膝の上に、新しい大きな“時の欠片”を乗せながら。 強い光を放つ紺色の瞳で、
光を睨んだ。)

「“欠片”は、持つべき人のもとへ戻す。」

「僕らは、そう決めた。」

(その答えに、光は眉根を寄せた。)

「“僕ら”・・、誰のこと。 夏樹・・、まさか他の組織の?」

「違うよ・・。 他の組織の人から守るためにも。 僕らに預けてくれないか?」

「正しい、使い方をしたい。 人の寿命を延ばす力が、

“時の欠片”にあるのなら。」



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