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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-20


「んんっ・・。」

(夏樹はこれ以上、ここには居られないと察し。 うつむき、頷いた。)

「自分は闇に触れても、仲間には触れさせたくないのか?」

「そんな中途半端な気持ちの時に、動くんじゃねーよ。」

「俺達が迷惑だ。」

ピコンッ

(ちょうどその時、光の通信機に、呼び出し音が鳴った。)

「はい。 ああ。」

「夏樹は居たけど。 “欠片”は無かった。」

「その前のも、見つからないよ。」

(光は、夏樹が手にしている欠片を見ながら、そう答え。
通信を切った。)

「聖だ。」

「・・ああ。 こんなにバレそうで。

ヤバい嘘。 ほかにないよ。」

(夏樹は瞬き。 光は苦笑した。)

***

ザワザワザワーッ

(風見市内を抜けた風が、木々の上を吹き抜け。 街が見渡せる建物の上に、



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