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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-21
降り立った、葵の。 豊かにカールした、薄紫色の長い髪を吹き上げた。)
(そっと、髪を抑える手に、銀のアクセサリーが揺れ。 FOT No.6と刻まれた文字が、
夜の明かりに光った。)
「優しいのね、光。」
「夏樹さんのことが心配?」
「静乃からフォローするように言われてる。 研究所の夏樹のデータを、奪ったらしい。」
「まぁ・・。 静乃さんったら、大胆ね。」
「まだ彩が抱えているデータもあるからな。 ・・聞いて放っておけるか?」
(葵は優しく微笑み、光を見た後、オレンジ色に浮かび上がる街の一角を。 指さした。)
「あそこでずっと、待っているの。」
「ん?」
「夏樹さんを連れてきてほしいなんて。 無理を頼んでごめんなさい。 光。」
「とても一人にしておけなくて。」
「いいよ。」
(光は葵をそっと肩に抱き寄せた。 聖に嘘をついたことで、自分も。 夏樹と同じ船に、
乗りかかってしまったことを、心の片隅で、感じながら。)
***
カランッ コロンッ
(心地良い下駄の音を響かせ。 静乃は、風見神社へと続く。 門前通りを歩きだした。)
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