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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-33


「・・夏樹くん・・。」

「ん?」

(紫苑は、何と言っていいかわからないまま。 夏樹に声をかけようとしたが。
わきあがる歓声に、掻き消されてしまった。)

「うおわっ、かわいい〜! 千波さんっ。」

「ふふっv ありがとv」

(駆の声に気づき、ピュアと綿あめ屋さんをのぞいていたミイも駆け寄り、
涼やかな浴衣姿の千波に。 ソラと見入った。)

「千波さん来てくれたんだっ♪」

「な〜、そのが楽しいだろ。」

(紫苑の隣にいた夏樹は、千波の方を振り向いた。)

「千波ちゃん・・。」

「あっ、夏樹〜♪v ふっふ〜んv さすがっ、桜さんっ!」

「似合う似合うっv あれ? 菖蒲くんは? 行っちゃった?」

「僕といるわけないだろう・・。」

(不満げな夏樹に、千波は満面の笑みで、小さな可愛らしい巾着から。
カメラを取りだした。)

「カメラ持って来たの♪ みんな寄ってv」

「夏樹〜っ、そんな顔しないでっ! 笑顔笑顔っv」

「あっ、逃げたっ!」



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