HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-34


「ソラくんっ、駆くんっ。 つかまえてっ!v」

「よしっ。」

「やめろって!」

(駆は夏樹を引き戻し、無理やりみんなに囲まれ。 紫苑の隣で、
夏樹は写真の中に収まった。)

パシャッ

「あははっ。」

「千波さんっ/// わたしのもっ写真撮って!/// 夏樹さんと入りたいv」

(ソラが笑い、ミイがうきうきしながら、カメラを取りだしたので。
夏樹は思わず、ミイの手を抑えた。)

「やめて。」

「/// うふふっ///」

(ミイは、自身の上に重ねられた。 夏樹の白い手の、冷たさに驚きながら。
夏樹が自然にいてくれているようで、何だか嬉しかった。)

「・・・、どうかした?」

「紫苑ちゃん。」

(ミイは気づき、紫苑に振り向いた。 紫苑は、皆が通って来た、
門前通りの。 赤い鳥居の方を見つめ。 何かに脅えている様に見えた。)

「・・・。」

(紫苑の茶色の瞳は、はっと見開き。 その瞳の中に不思議な黒い影が揺れるのを、



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ