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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-35


ミイは見た。)

『・・・?』

「大丈夫?」

「え? ・・うん。 わたしたちも行こう。」

(紫苑は微笑み、夏樹の側へ戻って行った。)

「うん。」

(ミイは頷き。 もう一度、通りの向こうへ、強い視線を投げかけた。)

「ソラ。」

「ん。 どうした?」

(ミイはソラの脇腹あたりのTシャツをひっぱり、ソラを振り向かせた。)

「誰か居る。」

(ピュアからねだられ、買いすぎた綿あめを手にしながら。 ソラは、小さなミイの
目線にかがむと。 ミイの指さす、鳥居の向こうへ。 顔を向け。)

(ニッと微笑みながら、もう一度、間近でミイの瞳を見つめた。)

「くっくっ。 だろ。 俺から、離れるなよ。」

「ミイ。」

(ミイはあきれて、表情を崩した。)

「ぜったい、楽しんでるでしょう?/// ソラっ!」

「あっはっはっ。 楽しまないでどうすんだよ。 夏休みだぞっ。」



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