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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-37


「だとしたら・・。 あんな風なのも頷ける。」

「誰が敵かわからないのに。 笑っていられるだけ、

あいつは強いよ。」

(ソラは、夏の空気を胸にいっぱい吸い込みながら。 赤い提灯に照らされ、灯る通りの
両端に立ち並ぶ。 屋台の上。 風見神社の神殿の方角。
豊かに茂る木々の緑を見上げ。 その上に瞬く。 空一面の、夏の星座を見た。)

「来るなら来い。 もう俺も、

何も出来ない俺じゃない。」

ザワザワザワザワッ・・

(木々の上を吹き抜けた夜風は、熱を帯び。 夏樹の首筋に触れ。
ソラの頬に吹き抜けた。)

チリリッ・・

“お前は・・知らないだけだ・・なぁ・・?”

“・・お前の・・敵は。 俺か・・? 光の・・王子よ・・”

“誰のせいで・・闇が起きた・・? 誰のせいで・・国が滅びた・・”

トクンッ トクンッ

“あいつだ・・。 ルイだ・・。”

“・・あいつの・・せいだ・・。 殺してやろう・・。 俺に・・鍵を・・よこせ・・。”

ドクンッ ドクンッ

(黒い気配が。 鳥居の中を通り。 ソラのもとにまで届いていた。)



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