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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter91 『籠の中の世界(黒)』 91-8


「それ、違反だ。 校則違反。 水色の髪、夏休みで祭りだから染めたの?」

(仙崎は、ソラに近づくと、脳天辺りの、鮮やかな水色の髪を手でつまんで引き上げた。)

「・・。 地毛です・・っ。」

「・・なんだその言い訳。 馬鹿か?」

(ソラは正直に答えたのだが、仙崎の切り返しに。 言葉をなくし、
口をぽかんと開いた。)

「くすくすっ。 チイ〜/// よくこの先輩の彼女になったね?///」

「今度そこんとこ、詳しく聞かせてよっ。」

(佐織のつっこみに、チイは嬉しそうに穏やかに微笑んだ。)

「ふふっ/// ええ。」

「紫苑。 行きましょう。」

「雨宮さんもきっと来るわよ。 ね。」

(チイは優しく、紫苑に笑顔を向けた。)

「・・うん。」

(紫苑は言葉少なで、ただ小さく頷いただけだった。)

(男性陣も、並び歩き出した。)

(暮れかけた風見市の空の上に、一番星が輝き始めた。 桜ヶ丘の上にも外灯が灯り出し。
坂道の上から見下ろせる。 ガードレールの向こう、眼下に広がる市内は。 オレンジの
明かりに包まれ始めていた。)

(祭りの会場となる、風見神社通りの方が、いつも暗いのに。 今日は提灯の明かりに、



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