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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-1


(風見祭りメイン会場となる、風見神社神殿前は、多くの市民であふれていた。)

「駆〜、あんまり遠くへ行かないで。」

「わかってるよ。」

「けどよ。 佐織も少し楽しめって。」

シャリシャリッ ポリッポリッ

(駆は、かき氷を頬張りながら、笑った。)

「うるさいわね。 菖蒲さんの隣なら、もっと楽しめたけど〜?」

(佐織は、駆をからかいながらも、気になる紫苑の方を見つめた。)

「大丈夫かしら、あの子いつもと少し違うみたい。」

「紫苑ちゃん? 大丈夫だよ。 それに、誰も夏樹を一人にしね〜し。」

「みんな側にいるんだからよっ。」

シャリッシャリッ・・

「・・ん。 わたしでなんとか出来ればな〜。」

「お、竹刀持ってこよっか?」

「このっ。 わたしにもっ、かき氷食べさせなさいよっ!///」

(佐織は、片手で、駆の頭に竹刀で面を一本取る動作を真似しながら。 美味しそうな、
いちごのかき氷に視線を移した。)

「おう。 じゃぁひと口。」

「あ〜ん・・。」



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