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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-11


(艶はむっとして、白を睨んだが。 白は面白そうに笑った。)

「そう思えばさ〜・・。 夏っちゃんを〜・・、小ちゃいころから・・。」

「聖に〜・・、国が〜・・、押し付けてたのも・・。 わかるよね〜・・。」

「だって〜・・。 怖いもんね〜・・。」

「葵ちゃんを〜・・。 FOTが〜・・。 保護してることもさ〜・・。」

「関係あるって〜・・、言ってる人も〜・・。 いるね〜。」

(白の言葉に、艶は冷たい視線を投げながら。 白が指さしていた、飴細工の屋台へ
近寄った。)

「なに人ごとの様に言っておる。」

「国に邪険にされておるのはっ、お主も一緒であろうが。」

「くすくすくすっ、僕は〜・・。 良い〜・・、能力者・・だよ〜?」

「愚かものめっ。 良い奴などおるかっ。」

「普通の人間にとってはのぅ。 みな、悪い奴に見えるのじゃ。」

「・・ふ〜ん。 僕はね〜・・、夏っちゃんが好きだけどね〜・・。」

「わらわもじゃ。」

(艶は笑い、きらきらと明かりの下に並べられた、美しい飴細工を笑顔で見つめた。)

「これっ! 鳳凰ではないかやっ?/// わらわはこの飴がほしい。」

「・・ぐぅ。」



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