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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-14


「はぁっ・・。」

(揺れる、オレンジ色の花柄の浴衣の袂は。 きらきらと光り。 光を纏いながら。
いつの間にか、見たことも無い。 華やかな、異国の服へと。 変化した。)

「・・はぁっ。」

(走るミイの、下駄の足元は。 いつの間にか、南国のリゾートにぴったりな。
美しく光る石の散りばめられた不思議な靴へと変わり。 ひらひらと舞う、軽やかな
スカートは、透き通り。 ミイの足を美しく見せた。)

***

***

ザァァァーッ

(温かな風が、舞い散る。 淡いピンク色の花びらを、ミイの足元へ。
華やかな服の袖へ、赤らむ頬へ吹き上げ。)

「んっ・・。」

(ミイは花吹雪の中で、瞬きした。)

「ソラ・・?///」

(引かれて行く手の先には、ソラが。 白い、異国の服を身にまとっていた。)

「早く行かないとっ。 みんなのところに、

戻らないといけないからなっ!」

(人混みの中を、駆け抜けて行く。 ソラの後ろ姿。 真っ白な煌びやかな服は、
通りの上に、樹々の上に灯る明かりに照らされ。 眩しく、時折、袖や裾に施された、
美しい金色の装飾を、きらきらと輝かせた。)



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