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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-16


(案の定、ソラはきょとんとした。)

『いいよっ。 ソラの馬鹿・・っ///;』

『身分違いだって、わかってるもん。』

『王位を継いだら・・。 もうこんな風に、会ったりできないよね。』

「これが・・、2人で来れる、最後の花祭り・・だね?」

(ソラは驚き、水色の瞳で瞬いたあと。 少し怒ったように、切り出した。)

「どういう意味だよ。」

「お前まで、俺じゃ王位を継げね〜って、思ってるんだ?」

(ソラは、頭上を見上げた。 舞い飛ぶピンクの花びらは、風に乗り流れ、
儚く散っていた。)

「終わらせるかよ・・。」

「終わらせてたまるか。」

「お前が巫女になるっていうんなら・・。 俺は、この国を守れる王になる。」

(ミイの瞳はうるんだ。 それは、嬉しいからなのか。 悲しいからなのか。
わからなかった。)

「あ〜、あれだ。 いらないんだ?」

(赤茶色の瞳を瞬かせ。 涙のしずくを睫毛に乗せて、ミイは、ぷるぷると顔を振った。)

「ひ〜んっ///;; ううっ、ひっく///;; いる〜/// ありがとっ!;」

(半ばやけくそになって受け取ったミイの手には。 綺麗な、深い紺色と、水色の魔石が



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