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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-24


(蒲公英は、うれしそうに理恵に駆け寄った。 手にした小さな金魚袋の水の中で、
きらきらと金魚が泳いでいた。)

「あ〜♪ 数馬くんと来たんだ?v」

「わたしもっv 善と来たの。」

(黒く美しいツインテールの長い髪をなびかせ、理恵は蒲公英に近寄ると。
誘った。)

「向こうで待ってるから、一緒に来て。」

「あっ/// 理恵ちゃん、待って。」

「わっ、こらっまてってちび! 今ちびママがお好み焼き買って来てくれるって、

待ってろって、いっただろっ! あ〜;; お好み焼き〜っ;」

「ったく! オレも行くっ。」

ダッ

(数馬は、遠くから鼻に届く。 お好み焼きの良い香りに後ろ髪引かれながら。
帽子を深く被り直し、後を追った。)

タッタッ・・

「こっ・・ここはっ・・!」

(到着した目的地に、数馬は思わず息を飲み。 1歩後ずさった。)

ヒュー・・ドロドロドロッ・・ ヒュゥゥゥー・・ キキーッ・・ ギギギッ・・

「お化け屋敷じゃね〜かよっ;」



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