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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-26


『!』

「・・わかった。 勝負してやるよ。」

「お前の力。 見せてみろ。」

(数馬の茶色の瞳が、強く睨みかえした。 善の黒い瞳は、
喜びにカッと見開き。 初めて、にやりと笑顔を見せた。)

「くっくっくっ。 それは・・楽しみだ・・なぁ?」

(黒髪をなびかせ、理恵は。 善の肩にしなやかに、小さな手を添えた。)

「あ〜ら、怖い。 わ・た・し・も。 お化けは苦手なんだけどな〜?v」

「うっふっふっv」

(善は理恵を横目で見た後、数馬の後ろにぴたっとはり付き。 隠れている蒲公英に、
近づき、顔を寄せた。)

「蒲公英さん、よくお似合いですね。 その髪飾り。」

(善は、片手で。 蒲公英の短い明るいベージュ色の髪に飾られた、小さな桜の
つまみ細工のかんざしに指先で触れた。)

「///ありがとう・・。」

(蒲公英は嬉しそうに笑ったが、数馬がその手を払いのけた。)

「さわるなよっ。」

「くすくすくすっ。」

「蒲公英さん。 良いことを教えてあげましょう。」



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