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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-39


「ひっひっひっ。」

(紺色の瞳の問いに。 狐次郎は、目を細めた。)

「ならよ。 時間の問題じゃね〜か。 あくせくFOTなんかやる意味あっか?」

「くすっ。」

(夏樹は思わず笑った。)

「知りてーと思うならよ。 お望みのものを、持ってきてやったぜ。」

「突きとめてみろや。 おめーの、おめー自身のことさ〜。」

ガッ

「夏樹ー。 死ぬなよ。」

(狐次郎は、突然。 夏樹の首元に手を伸ばし。
銀の鎖を掴むと、そのまま思い切り、夏樹を引き寄せた。)

「ん・・っ。」

チャリリッ

「間違ってねー、自由になれるっていうんなら、

証明してみせろや。」

「あ〜、いけね〜。」

「見つかったわ。」

(僅かに微笑み、狐次郎は、ゆっくりと定まらぬ瞳で上方を見た。)



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