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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-40


(夏樹は、不思議な。 嫌な予感がし、狐次郎に鋭い視線を向けた。)

「今度は、誰? また、得体の知れない連中と。

取引をしたんじゃないだろうな?」

「・・・、ビンゴ。」

「僕と来て。 ここを離れるんだ。」

「もう間にあわねー。 おめーの連れの連中を足止めしておいて正解か〜。」

『どうりで姿が見えないと思った・・。 狐次郎の仕業か。』

「聖の兄ちゃんは、俺を見捨てるだろうよ。 おめーに入れ知恵したのが、

気に入らね〜のよ。」

「何を・・言ってるんだよ。」

(夏樹は紺色の瞳を開いた。 能力者である狐次郎が、聖の創り出した結界を越えて、
自分に会いに来れたことは。 特別なことだった。 聖が許可したのでないならば。)

(何か、特別な手を使ったに違いない。)

『どうして気づかなかったんだ。 この前、狐次郎が僕に会いに来た時・・。』

『聖が許したはずがない。 ・・他に、空間を越えられる能力者・・。』

『まさか、僕を追いかけているあの。 気配の主か・・!』

(狐次郎が、夏樹の友人たちを守ろうとするなど、よほどのことだった。
ソラたちは、狐次郎がどこかに足止めして。 無事でいるに違いなかった。)

「お前に会って、話がしたかったのよ。 VIP様に会うにはよ〜、高い代償じゃね〜か?」



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