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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-44


(生まれそこなった魔法陣は、夏樹の生み出した結界の壁に阻まれ、
美しい火花を散らし、四散した。)

【離せ・・! その汚い手を・・俺から・・。 離せ・・っ!】

【下衆がぁ・・!】

バキバキバキッ・・

(善は、夏樹を引き離そうとしたが、できず。 息を詰まらせるほど、吹き抜ける風に
苦しみながら、再び闇雲に魔法陣をいくつも出現させた。)

「・・・っ!」

コオッ ゴワッ ゴワッ ゴワワッ・・!

(善の黒い瞳は燃え上がり、いつの間にか、赤く。 そして不思議と力を取り戻したその
瞳は艶やかに煌めき。 淡いフェルゼンの姿に戻っていた。)

《闇の力を秘めし鍵》《解き放て》

「やめろっ!」

【さぁ、遊んでやろう・・。 なぁ?】

【くっくっくっ。 あ〜っはっはっ!】

【わからないか? もう、手遅れだ。 ルイ。】

【その顔もっとよく見せてくれ・・。 もっと、味わわせてやるよ。】

【俺と、同じ思いを・・。 お前に。】

(夏樹は氷の様に冷やかな紺色の瞳でフェルゼンを見た。)



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