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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-46
【あ〜っはっはっはっ!】
(だが、夏樹は微笑んだ。)
「そばに、FOTのメンバーがいる。」
「それから、“友達”が。」
(フェルゼンが、今度こそ打ち消すことが出来たと思った、その笑顔は。
変わらず再び力を宿し、そこにあった。)
(深い紺色の瞳は、きらきらと煌めき。 フェルゼンの前で、
微笑んだ。)
「お前は、僕が相手だ。」
【貴様ぁ・・・っ!】
(凍り付くフェルゼンの表情が、目に見える様だった。
その口元は、怒りに引きつり。 再び、呪文を唱えるために、開かれた。)
ゴワッ ドンッ!
バキバキバキッ・・!
(二人が浮かび上がる異空間の門前通りの結界の中で。 夏樹の至近距離で
魔法陣は展開し。 紫の火花は、風と激突し、爆風を上げ。 二人の身体は、
黒い木目の連なる、通りの。 両端の家々を吹き飛ばしながら、地上へ落下した。)
バリバリバリッ・・
(舞い上がる土煙と木片が。 吹き抜ける風とともに、
誰もいない、幻の中の通りのはじまで。 飛んで行った。)
***
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