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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-49


(佐織は背筋を凍らせ、ミイは叫び声をあげた。 闇は二人が嫌いな、虫を思わせる姿で、
吠え声をあげ、開いた闇の巨大な口からは。 鋭い無数の歯と、黒い体液が滴っていた。)

【ゴワァァァーッ!】

「ひどい姿だな・・。 これが闇の魔女の力・・。」

「俺の国を、滅ぼした呪い。」

「かかって来い・・。 俺は異世界じゃ、なかなかの剣士だったらしいぞ。」

(次の瞬間、3匹の闇は、ソラに向かい。 猛スピードで舞い上がり、飛びかかった。)

「んっ!」

ギンッ ザンッ・・! ビシャシャッ・・

【ギャァァァァーッ!】

「きゃぁぁっ///;」

(記憶が無くとも、剣を持ったソラの身体は自然と動き。 大きな剣は、目に留まらぬ
速さで、銀色の残像を残し。 黒い闇の腕を切り払った。)

(同時に、ソラは後方へ振り返り。 駆と仙崎に指示した。)

「駆、春人先輩!」

「みんなを遠くへ。」

「俺が、夏樹を探す。」

「ピュア・・っ!」

「はいですっ!」



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