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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-5
(ソラは、慌てて、ピュアの手にする。 魔法のステッキを抑えた。
そこからキラキラと綺麗な光が放たれたが、誰も気にする人はいなかった。)
「くっくっ。」
(夏樹は笑った。 千波は駆け寄ってきて夏樹をつついた。)
「夏樹〜v こういう時はv 少しは、風を使ってもいいわよv」
「・・、いやだめだろ。 そしたら、何でもありになるよ。」
「本当なら、使ってはいけない。 自然の力なのに、
僕らは、少しの間。 その力を借りているだけなんだから。」
「何でも出来るみたいに、思ったらだめだ。」
(夏樹は優しげな瞳で、千波を見た。 千波はいつも、夏樹の力を。
肯定してくれていたが。 夏樹にとっては、その力は。 普通の人が持つ特技とは、
まったく別のもので。 人とは違うという意識を、拭い去ることは、いつも出来なかった。)
「むぅっ。 けち〜v」
(そう答えると、分かっていた千波は。 笑った。)
「よし。 紫苑さん、家で金魚飼える?」
「え/// ・・うん。」
「じゃぁ、がんばる。」
(夏樹は言いながら、紺色の浴衣の袖をまくり。 そっと、金魚の側へ。 ポイを
差し入れながら。 深い紺色の瞳をきらきらさせ、目を細めた。)
「ふふっ///」
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