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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter92 『籠の中の世界(赤)』 92-6
(紫苑は嬉しくて、そっと隣に屈み、夏樹の白い腕の行き先を。 見守った。)
(ピンクの浴衣に、桜の花かんざしが揺れる。 側で見守る千波は、水色の鮮やかな
浴衣に、小さな花模様が可愛らしく。 少しくせのある、夏樹とよく似た短い髪が。
今日はふわりとカールされ。 小さなクローバーの髪飾りが飾られている。)
(側で見守るソラの隣には、オレンジ色の三輪の花飾りが揺れるミイが。
クリーム色の浴衣に、金魚柄。 ふわふわのファーが似合うピュアが、可愛らしい表情で
見守っていた。)
「ああ〜っ!」
「夏っちゃ〜んっ! 夏っちゃん、夏っちゃん!///」
(数馬は、祭りばやしの聞こえる向こうから、夏樹たち一団を見つけると。
駆け寄って来た。)
「数馬。」
ぽすっ
(数馬は夏樹に駆け寄ると、ちょうど立ち上がった夏樹の。 紺色の浴衣の足もとに、
ぴたっと抱きついた。)
「蒲公英ちゃんと来たんだ。」
「うん!/// 夏樹お兄ちゃん・・っ、たんぽぽもやる〜っ。」
「そっか。 じゃあ、これ持って。 そう。 そっとね。」
(数馬の代わりに返事した蒲公英へ。 夏樹は一緒に手を取り、蒲公英は小さな手で、
赤い金魚を追った。)
「・・夏っちゃん。」
「ん?」
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